Selamat pagi!
多文化共生とは、「国籍や民族などの異なる人々が、互いの文化的ちがいを認め合い、対等な関係を築こうとしながら、地域社会の構成員として共に生きていくこと」(総務省:多文化共生の推進に関する研究会報告書より)です。(新宿区ホームページより。太字は著者。)
ブミプトラ政策
よく,「マレーシアは3種類の人種が入り混じっているので,多文化共生を学ぶには良い場所だ」という考えをもって留学している人を見かけます。実際私も留学申請の志望理由書にそんなことを書いた気がします。
けれども実際にマレーシアに来てみて,「マレーシアって全然多文化共生していないのでは?」と思うようになりました。
マレーシアの人口の6割はマレー系,3割が中華系,1割ほどがインド系となっています。マレーシアでは,ブミプトラ(マレー人優遇)政策によって,マレー人にとって非常に有利な社会システムとなっています。
教育,就職,住居など,生活に根本的に関わってくるところで,マレーシア人に有利な国となっているのです。
明らかに対等な関係を築こうとしていませんね。
壁を感じる大学内
国立大学の入試でもマレー人は優先的に入学できるようになっています。私が所属しているUPMの学科では,大雑把にマレー系35人,中華系8人,インド系1人という比率です。また,キャンパス内ではマレー系と中華系が一緒に歩いているのを見るのはまれです。そして,授業でグループを作るときもマレー系と中華系は一緒のグループにならないことが多いです.教授陣もほとんどマレ―系です.私が所属する環境学部の教授陣30人くらい(?)は韓国人一人を除けばマレー系でした(2018年11月に中華系の教授が入ってきた).
さらに,大学内には中華系・インド系の料理を食べられる場所はありません(追記:インド系料理屋は発見しました.)。食堂は10以上あるようなのですが,国立大学であるから中華系の食堂は出店できないと噂で聞きました(あくまで噂です)。
入試でディスアドバンテージを背負わされている中華系,インド系の学生は優秀な人が多い印象です.ディスカッションは積極的だし(マレー人は恥ずかしがり屋が多いというのもあるとは思うが),実験操作も素早いです。
中華系の人たちについて
社会を見ると,中華系のほうが勤勉に感じられます。「この仕事要らないでしょ」と思って見ると,働いている人はマレーシア人のことがほとんどです(例えば大学のゲートで警備,というよりも車を眺めるだけの人。)。実際にマハティール首相も「マレー人には勤勉さが足りない」と述べているそうです。
中華系の人たちは英語に加えて中国語も話せるのです。学問なり貿易なりで世界的に活躍できる基盤を持っているのです。
彼らを抑圧しておくと,じきにマレーシアの発展は緩やかになっていくのではないかと考えています。
これからマレーシアへ来る人へ
さて,こんな状況でマレーシアは多文化共生していると言えるのでしょうか?私は言えないと思います。
これから留学する方で,本当にマレーシアで多文化共生を学びたい方は考え直したほうが良いのではないかなと思います。もちろん自分の目で見ることは非常に大事なので,こんなブログ気にしないでも良いとは思いますけれど...
※すべて個人の意見,感想です.